「死んだ男の残したものは」
昨日まで悩んでました、、、
告知したはいいけれど、
8月11日のコンサートの選曲にずっと後悔してました。
歌う4曲のうち、「蘇州夜曲」と「浜千鳥」の2曲は、主催者からの依頼。
1曲は去年のコンサートで気に入って頂けた「海の若者」
唯一、自身で選曲したのは、「死んだ男の残したものは」(武満徹 作曲)でした。
ベトナム戦争の最中に作曲された「死んだ男の残したものは」は、
小五の頃、ベトナム戦争で使われた枯葉剤について何編もの作文をかいた私にとって、
いつか歌いたい曲でした。
「平和を祈るための演奏会にしたい」と主催者に依頼された時に、
やっと歌うときがきた、と思ったのです。
しかし、月日が過ぎるにつれ、
"死んだ子供の残したものは、ねじれた脚と乾いた涙"
と私が歌って許されるのだろうか?と思うと、怖くなりました
「やっぱりやめます」と言いたかった、、、。
でも、今朝、
橋本亜紀さんの弾くピアノ伴奏を聴いて、想いが変わりました。
作曲者の武満徹は
『メッセージソングとして重く歌って欲しいのではない ラブソングのように歌って欲しい』
と、言っていた
と読んだことがあります。
(正確ではありません、、、、)
最初、この曲は無伴奏だったと言いますが、
今、曲集に載っているピアノ伴奏はとても優しく、
私が、感情を込めず、ひとつひとつの文字を追うようにこの詩を歌ったとき、
とても美しくて、今なら歌ってもいいのかなあ と、やっと思えたのです。
とはいえ、
どこでもいつでも歌えるような曲ではない と思っているので、
今後、どこで歌えるかわかりません。
聴きにお越しいただけたらこんなに幸せなことはありません。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
(写真の本は、小学5年当時、画家のいわさきちひろさんが大好きだった私は、
新刊で出ていた彼女の絵が表紙になったこの本を買ったのでした。
いつものような優しい母親でなく、とても悲しそうで、なぜか惹かれたのでした。
家に帰って開いたとき、
ホルマリン漬けされた赤ちゃんのご遺体や、薬に囲まれ虚無的な目でレンズを見ているだろう米帰還兵など、あまりにショッキングな写真が掲載されていて、
どうしていいかわからず、感想文や作文をいくつも書いて解消した記憶があります)
2018年8月11日(土) 14時開演 13時30分開場
大垣市スイトピアセンター文化ホール
入場料 2000円
浜田一馬 作曲 ピアノ協奏曲「1945」再演
〜こちらの第一部
【二人のソプラノ歌手による心に沁みる日本の昭和歌曲】
に ソプラノ大熊径さん、ピアニストの橋本亜紀さんとともに演奏いたします。
第2部では、浜田一馬氏 渾身の ピアノ協奏曲 「1945」がフルオーケストラにより演奏されます。浜田氏は1945年生まれ。この曲は4年がかりで書き上げた大作で、命を懸けている、とおっしゃっていました。
どうぞご期待ください。