[山田耕筰と岸田劉生]
2020年02月15日
今とても興奮している。
[山田耕筰と岸田劉生]
無知なわたしは岸田劉生のことを知りたくて、はるひ美術館館長で芸術家の高北幸矢先生のお話を聞きに行きました。
そこでまさか山田耕筰の名を聞くとは思いませんでした。
そして、「牧師になりたい」と言った5歳違いの二人の天才に
「君は絵描きの道へ進め」
「君は作曲家の道へ進め」
と ハッキリ言ったのが、
同じ 田村直臣という牧師であったことに、わたしはかなりのショックを受けた。
ゴッホ等 いわゆる後期印象派の画家にモロに影響を受けた若かりし日の岸田劉生が、
晩年(といっても、38歳で亡くなっているが)「パリに行った暁には、フランスの画家に絵を教えてやる」と豪語していたと高北先生がおっしゃった時、わたしは冗談でも聞いたように笑ってしまった。
しかし、高北先生はこうも言葉を繋げた「あながち、笑い話ではないんじゃ無いかと、思うんです」
わたしは ハッ とした。
音楽家が、ロマン派や印象派に惹かれても、最終的にバッハへの大きな興味と尊敬に還っていくことがあるように、
ルネッサンス期の宗教画やルーベンスなどのバロック時代の[卑近美](岸田劉生の造語らしい。美しい女性や可愛い子供にもどこかグロテスクなところがある、という表現)を、忘れているかのように描く
同じ時代に生きる異国の画家たちに、
[卑近美]とはなんぞやを、伝えに行きたかったのではと思いました。
山田耕筰が、スクリャービンに影響を受け曲を書いた1917年のあと、こんな気持ちになったことはあったのだろうか?と知りたくなった。
改めて山田耕筰の自伝を読んでみようと思う。
高北 幸矢先生、面白いお話をありがとうございました!